男性不妊外来
担当医師ごあいさつ
最近、全国的に男性不妊症診療の重要性が再認識されてきております。しかし、北陸における男性不妊症の認識はまだ低く、受診される患者の数もまだ少ないと感じております。もしかしたら、不妊治療は女性が受けるものという古い認識がまだ残っているのかもしれません。近年の晩婚化の影響を受け外来を受診されるカップルの年齢が上昇してきておりますが、特に女性の年齢は妊娠・出産率に大きな影響を与えます。最良の結果を得るためには男女ともに診察を開始することが一番の近道であるのは間違いありません。患者様の多くはお仕事のため受診が容易ではなく、また診察を受けることに対する恐怖感も抱えられていると思われます。しかし、妊娠・出産・子育ては夫婦の協力なくして円滑に進めることはできず、第一歩として共に受診していただけるよう願っております。
飯島将司
担当医師
泌尿器科専門医 飯島将司
診療方針
患者様の納得のいく診療を提供できるよう心掛けております。下に示したような流れで診察させていただきますが、疑問やご要望がありましたらお伝えください。また、診療情報をご夫婦で共有していただきたいため、可能であればご夫婦での受診をお勧めします。
診療の流れ
- 予約:初めて受診される方は病院代表(076-265-2000)で「男性不妊外来の予約希望」と伝えて泌尿器科外来へ繋いでもらってください。担当者が対応します。
- 来院:紹介状や他院でのデータがあればあらかじめ提出をお願いします。
- 問診:現在の症状、治療に対してのご希望などをお伺いします。
あらかじめ問診表にご記入いただき持参していただいていれば診察がスムーズに行えます。 - 診察・検査:陰部の診察、精液検査、採血、超音波検査を必要に応じて行います。
- 治療計画の立案:病状および検査結果に応じて治療方針をお伝えします。
検査結果が当日に出ない場合、再診時にお伝えします。 - 治療:治療を開始します。手術が必要な場合、日程等につきご相談させていただきます。
検査について
精液検査
2-3日の禁欲期間をおいてから採精室にて採取後、検査します。精液検査所見によって下記のように分類されます。
- 精子濃度ゼロ:無精子症
- 精子濃度低下:乏精子症
- 精子運動率低下:精子無力症
- 精子奇形率高値:奇形精子症
採血
一般的な採血項目およびホルモン値のチェックをおこないます。高度乏精子症や無精子症のように遺伝学的異常の関与が疑われる場合、遺伝学的検査を行うことがあります。
超音波検査
陰嚢内を超音波で調べます。男性不妊症の方は一般の方と比べて精巣腫瘍の発生率が高いことが知られております。また、陰嚢内に精巣を認めない(停留精巣)や精巣血管の拡張・逆流(精索静脈瘤)の診断の補助になります。
遺伝学的検査
染色体核型検査
染色体とは遺伝情報であるDNAが凝集したものです。遺伝情報を本に例えるとDNAは文章そのもので、染色体は本の章に例えることができます。父親と母親からそれぞれ1冊ずつもらっていますが、ぱらぱらとめくっただけでわかるような落丁や乱丁がないかを調べるのが染色体核型検査です。この検査は保険診療で行うことが可能です。採血検査となります。
Y染色体微小欠失検査
Y染色体は父親から受け継ぐ小さな染色体で男性しか持っていません。この染色体には精子を作るために非常に重要な遺伝子が含まれており、その中でも特に重要な部分(AZF領域)が抜けてしまうと正常に精子を作ることが出来なくなってしまいます。この変化は前述の染色体核型検査ではわからないため、特別な検査が必要になります。この検査は保険診療で行うことができず、自費の採血検査となります。
男性不妊症について
疾患の説明(男性不妊症)をご覧ください
診察スケジュール
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | |
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金沢大学附属病院 午後2:00~4:00 |
◎※1 | |||||
鈴木レディスホスピタル 午後2:00~4:00 |
◎※2 |
※1)金沢大学附属病院は第2、第4木曜日が診察日となります。
※2)鈴木レディスホスピタルは第2土曜日のみ診察日です。
予定が変更となることがあります。受診前に必ず各病院にお電話のうえ診察予約を取って頂ますようお願いします。
初診の方は診察時に診察問診表を記入、持参頂けるとスムーズに診察を行うことができます。