中川竜之介医局員の論文がAsian Journal of Endoscopic Surgeryに掲載されました。
研究
2025.12.17
限局性腎腫瘍に対する腎部分切除術において、ソフト凝固を用いた開腹部分切除術(SC-OPN)とロボット支援下部分切除術(RAPN)の術後腎機能を比較検討した研究成果を発表しました。
本研究では229例を対象に、術後1日目から12か月までの推算糸球体濾過量(eGFR)の変化を解析した結果、理論的には虚血を回避できるとされるSC-OPNよりも、RAPNの方が一貫して腎機能低下が軽度であることが明らかになりました。多変量解析においても、RAPNは術後12か月時点での腎機能温存に寄与する独立した因子であることが示されました。
これらの結果は、ロボット支援手術における高い手術精度と選択的止血が、腎実質への不要な熱損傷を抑制し、腎機能温存につながる可能性を示唆するものです。
本研究成果は、腎部分切除術における術式選択を考える上で、重要な臨床的エビデンスを提供します。

