中川竜之介医員の論文がAsia-Pacific Journal of Clinical Oncologyに掲載されました。
研究
2025.11.13
高リスク尿路上皮がん患者に対する術後補助ニボルマブ療法が、実臨床でも再発リスクを大きく下げることを確認しました。本研究は、根治手術を受けた158名(ニボルマブ群20名/対照群138名)の治療成績を後ろ向きに解析したもので、無再発生存期間で79%のリスク低下(HR 0.21, p=0.01)を示しました。全生存期間でも改善傾向がみられ、再発抑制における有効な独立因子であることが多変量解析でも裏付けられています。
1年間の治療完遂率は55%、副作用による中止は25%で、間質性肺炎や内分泌障害などが主な要因でした。本研究は、治験だけでは見えない“日常診療”におけるニボルマブの実効性を示すアジア人データとして重要な知見となります。
今回の結果は、高リスク尿路上皮がん治療における術後補助療法の選択を力強く後押しする一歩となりました。
http://doi.org/10.1111/ajco.70051

