中川竜之介大学院生の臨床研究がInternational Journal of Clinical Oncologyに掲載されました!
研究
2025.01.20
本研究では、進行尿路上皮癌(mUC)に対するEnfortumab vedotin(EV)の有効性を、後治療として一般的に使用されるPTX+CBDCA療法(TC)と比較することを目的としました。
本研究はレトロスペクティブデザインで行い、プラチナ製剤ベースの化学療法およびPD-1/PD-L1阻害剤治療後に進行したmUC患者を対象に、次治療としてEV群とTC群の2群に分け、有効性を解析しました。
合計55名の患者(EV群35名、TC群20名)が組み入れられ、解析の結果、EV群はTC群と比較して、無増悪生存期間(PFS, p = 0.0013)および全生存期間(OS, p = 0.0279)が有意に良好でした。
さらに、EV治療後に病勢が進行した患者を、TC療法を受けた群とベストサポーティブケア(BSC)群に分類して解析したところ、TC群でOSが有意に良好であることが示されました(p = 0.0084)。
以上より、本研究は、mUCの次治療としてEVがTC療法と比較して有効であることを示しました。また、EV投与後に病勢が進行した症例に対しても、TC療法の一定の有効性が示唆されました。
https://doi.org/10.1007/s10147-024-02678-x