先輩の声
平成29年に金沢大学外科専門コースで入局した青山周平といいます。医師9年目、泌尿器科7年目になります。 先輩からのメッセージということで、書かせていただく機会をいただいたので記載させていただきます。 まず、泌尿器科を選んだきっかけですが、まず外科系か内科系かで考えたのですが、手技を行いたいということもあり、外科系を検討しました。 メジャー外科<マイナー外科が向いていると思い、マイナー外科で検討し、整形外科、産婦人科、泌尿器科を考えました。最終的に泌尿器科を選んだのですが、理由としては2つあります。1つ目は1つの科で完結することが多いということ。2つ目は内科分野の治療も行いたいと考えたことです。 |
メジャー外科<マイナー外科が向いていると思い、マイナー外科で検討し、整形外科、産婦人科、泌尿器科を考えました。最終的に泌尿器科を選んだのですが、理由としては2つあります。1つ目は1つの科で完結することが多いということ。2つ目は内科分野の治療も行いたいと考えたことです。1つ目についてですが、手術は外科が行いますが、化学療法は内科で行うということや、初期治療は内科でおこない、進行した場合は外科で行うような場合があります。その点泌尿器科は初期治療から化学療法、さらに最期の看取りまで行います。2つ目は、癌治療はもちろんですが、良性疾患である前立腺肥大症、過活動膀胱などの治療は内科的な治療を行いうことも多いです。また、扱う臓器として腎臓があり、全身状態を把握し治療を行う必要があるため、内科的な知識も必要です。
このような理由から外科+内科の両方を扱う泌尿器科を選択しました。その分覚えることも多く、できるようにならなければならない技術は多いですが、充実した生活を過ごしています。
入局後からどのような経緯をしていったか簡単に示したいと思います。
入局後(医師3年目、泌尿器科1年目)から関連病院で4年間外来業務+手術を行いました。当医局は北陸の主要な中核病院と関連を持っているため、多くの症例を経験できました。内科的な治療(化学療法を含む)は3年目から主治医として患者さんに治療提案から管理まで行います。ただ、上司とペア以上で治療を行うことがほとんどで、治療方針に悩んだ場合などは親身になって話を聞いてくれます。また外科的技術は経尿道的な手術をメインに執刀する機会をいただけるので、技術の向上を実感できました。また、腹腔鏡手術や開腹手術も積極的に執刀する機会があります。
入局後5年目(医師7年目、泌尿器科5年目)になると、大学病院に戻り、大学院に入り、基礎研究を行います。現在基礎研究を行っており、臨床のみではなく、基礎研究にも力を入れています。
このように泌尿器科というところは内科+外科と幅広く扱う科でありますが、当医局はさらに臨床のみではなく、基礎にも積極的に力をいれている医局です。
大変ではありますが、非常に充実した生活を送っています。
少しでも泌尿器科、さらに金沢大学泌尿器科に興味を持っていいただけたらと思います。
「なんで泌尿器科を選んだの?」と100万回訊かれるのが唯一の短所といっても良いでしょう。医療者のみならず、患者から美容院の店員まで、まあとにかく、出会う人のほぼ全てから訊かれます。泌尿器科をモチーフにした医療ドラマが放送されればちょっとは尋ねられる頻度が減るのかしら。 要するに、「なんで『女性なのに』泌尿器科を選んだの?」と皆さん問いたいわけです。泌尿器という字面が男性を想起させるのでしょうか。生殖器のイメージが強いのかもしれません。 「なんで泌尿器科を選んだの?」と100万回訊かれるのが唯一の短所といっても良いでしょう。医療者のみならず、患者から美容院の店員まで、まあとにかく、出会う人のほぼ全てから訊かれます。泌尿器科をモチーフにした医療ドラマが放送されればちょっとは尋ねられる頻度が減るのかしら。 |
要するに、「なんで『女性なのに』泌尿器科を選んだの?」と皆さん問いたいわけです。泌尿器という字面が男性を想起させるのでしょうか。生殖器のイメージが強いのかもしれません。
冷静に考えて、尿を作る・貯める・出す という機能は女性にもあるわけですし、人口の約半分は女性なのです。もちろん、男性特有の病気もありますが、産婦人科イコール女性だからといって、泌尿器科イコール男性、というわけではないことを広く知って頂きたいと思います。
実際に、腎臓の病気や膀胱の病気、また副腎や尿管の病気などで当科を受診される女性はたくさんいらっしゃいます。お話を伺っていると、受診を決心するのにとても勇気が要った、どんな検査をされるのだろうかと不安だった、というお声は多数頂きます。そんな中で、女性の医師に話を聞いてもらえるだけで不安がほぐれてほっとした、同性だと症状を打ち明けやすい、と言って頂けることがあります。中には、インターネットで女性医師のいる病院を探しあて、数時間かけてご来院くださる方もいらっしゃいます。
そんな時ですね、『女性である自分が』泌尿器科を選んで良かったな、と思えるのは。私が泌尿器科に進んだ理由はたくさんありますが、
①薬での治療(内科的)から手術(外科的)まで、手広い
②子供から高齢者まで、手広い
③緊急手術のような救急医療から癌治療や緩和医療まで、手広い
と、とにかく手広くて一生ワクワクし続けられるだろうなと思ったのがきっかけです。さらにAIが医療に応用されつつある時代、腎瘻を造設したり膀胱の血腫を除去したり、AIに委託できない手技が多いことにも惹かれました。そんな科に集まる先輩達がとても魅力的で、入局を決めました。ですが、実際に診療をしていると、思いのほか女性医師としてのニーズがとても高いことに気付かされます。
まだ泌尿器科医1年目の頃、とある病院で女性患者様の検査を担当していました。その結果、手術が必要だとお伝えすると、女性医師に手術をしてほしいと言うのです。まだ自分は手術を勉強中であるとお伝えすると、こんな言葉が返ってきました。
「たくさん勉強して早く一人前になってください。先生を必要としている人たちのために。」
ああ、泌尿器科こそが自分の居場所だ、ここで頑張ることで皆様のご期待に応えるのが自分の仕事だ、と震えたのを今でも覚えています。そのときにできなかった手術も、その後はたくさん執刀するようになりました。性の多様性をめざす世の中を私は支持しますが、ことデリケートな診療においては、担当医が女性であるということが付加価値たり得る瞬間があるのもまた事実です。
とまあ、こんな感じです。泌尿器科のことが気になっているそこのあなた、ぜひ医局を覗きにきてください。そこには未知なるワクワクと世間からの熱いニーズがあります。きっと雰囲気一目惚れですよ。私たちと一緒にプロフェッショナルを目指しましょう!
2019年に金沢大学泌尿器科に入局した新澤です。ここを見ているということは、少しでも泌尿器科に興味を持って頂いているのでしょうか。 専門性が欲しい、癌も良性疾患も診たい、手術や処置ができるようになりたい、でももし自分に合わなかったら手術に頼らない働き方もできる科がいい、ワークライフバランスも大切にしたい。 |
選択肢が与えられているからこそ迷うのですが、そんな中で泌尿器科はとても良い候補だと思いませんか?
何より良いと感じたのは選択肢を残せるという点です。
「外科系と内科系どっちに興味があるの?」
実習で様々な科を回った際に毎回聞かれて耳にタコができていませんか。
内科系、外科系どちらでも構いませんが本当にそうだと自信を持って答えていますか?
多くの人にとっての正解は働いてみないとわからない、だと思います。
泌尿器科の中で最も外科系に寄った道は移植や再建だと思います。
血管吻合や尿管吻合、腸管や口腔粘膜を移植しての尿管再建、ストーマの造設など一般的な泌尿器科のイメージからかけ離れた手術もしております。
また、移植は腎臓内科との共同作業になりますので、内科系の難しいことはある程度任せて自分は手術の腕を磨けます。
内科系に寄った道は色々ありますが、当科では希望者に癌薬物療法専門医の取得なども勧めています。
他にもアンドロロジー(男性医学、男性不妊)などを学びに国内留学に出ていた医局員もいます。
まだ行きたい科がまだ決まっていないのなら、是非泌尿器科に遊びに来てください。